舞鶴要塞・舞鶴鎮守府 (11)
空水谷第22工場 空水炸薬成形工場

空水谷(第22工場)空水炸薬成形工場
第三海軍火薬廠朝来工場、空水谷(くすだに)(第22工場)の空水炸薬(鋳造)成形工場の紹介です。「空」とは爆弾、「水」とは魚雷の意味で、ここでは、爆弾や魚雷の炸薬の製造を行っていました。
「炸薬(さくやく)」とは、爆弾・弾丸・魚雷・機雷などの兵器に装填するために成形した爆薬のことで、爆薬を溶融器で一度溶かして鋳型など型類に流し込んで成形しますが、ここでは、鋳型成形とともに、魚雷頭部などに直接炸薬を装填することも行われていたようです。特攻兵器「回天」の炸薬装填もここで行われていたとのこと(関本長三郎 2005年)。
第三海軍火薬廠朝来工場第二製造部全体図はこちら。

背景図は、舞鶴市都市計画図を使用。

【青葉山ろく公園】
京都府舞鶴市岡安
園内にはキャンプ場、パターゴルフ場やコンビネーション遊具があります。一部施設をのぞき入園料無料、駐車場無料。

国土地理院地図・空中写真閲覧サービスから。1975年12月3日撮影。
空水谷第22工場は、現在、1981年に開設された青葉山ろく公園に位置しています(写真2)。
(写真3)は、公園開設前、1975年撮影の空中写真です。空水炸薬成形工場と前回投稿した砲熕谷の砲炸薬成形工場の建物群が確認できます。中央棟2棟を中心とする建物の形状と配置はほぼ合致しそうです。もう少し高解像度版がほしいところですが、高解像度版は有償でけっこう高額なのと、掲載許可申請が必要になります。

イベント広場の観覧席になっています。
現状と比較すると、空水炸薬成形工場中央棟2棟(西区・東区)はそのままですが、付属棟は1棟のみで他は壊されています。現存する3棟の建物については、現在外壁・内装とも改修され、青葉山ろく公園のキャンプ場施設になっています。
現状の細かい横板張りの外壁(写真6など)は、当時の外壁と似せたのかもしれません。(牧野雅司・毛利聡・松本和也・林田海翔・井上忍・高倉岳歩・古久保淳 2021年)に、2017年当時の砲熕谷砲炸薬工場の木造部外壁写真が掲載されています。現在、こうした木造部はほぼ倒壊しています。劣化のスピードに愕然とします。
砲熕谷の砲炸薬成形工場は、南区と北区に分かれていて土塁によって区画されていますが、空水谷の空水炸薬成形工場は、西区と東区に分かれていて、土塁は西区西側のみ残されています(写真1・4)。ただし、(写真3)を見ると西区と東区の間にもありそうです。
以下の写真のうち、青丸番号は砲熕谷の砲炸薬成形工場になります。各部の説明については、前回の砲熕谷の投稿を参考にしてください。

(B)(C) 砲熕谷南区砲炸薬成形工場。


(C)砲熕谷南区砲炸薬成形工場。

(B)砲熕谷南区砲炸薬成形工場。


(B)砲熕谷南区消火栓。上のマークは海軍章です。


(B)(C) 砲熕谷北区砲炸薬成形工場防爆壁。

(B)(C) 砲熕谷北区砲炸薬成形工場工房群。
撮影位置はこちら です。
第三海軍火薬廠、続きます。
参考文献・webサイトは、「舞鶴要塞・舞鶴鎮守府投稿一覧」にまとめてあります。
2023年3月、2023年11月、2024年3月現地、2026年1月25日投稿。
