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城郭墓所砲台

忘れ去られようとしている廃墟。城郭、寺社、墓所、砲台などの戦争遺産、近代産業遺産など。廃墟好きの遺跡歩記。

2024年4月開設。インスタグラムから引っ越してきました。いまのところスカスカですが、インスタの過去記事、新作をあわせて投稿していきます。過去記事も今回全面的に書き直しています。
パソコン、スマホ双方に対応させていますが、設定によっては表示が崩れる場合があります。
掲載した写真・動画は、引用を明記したもの以外すべてゆきむ(管理人)の撮影です。無断転用はお止めください。

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yukimu326

#一乗谷朝倉氏遺跡その1(season2) 福井

#一乗谷朝倉氏遺跡その1(season2)
福井県福井市
#特別史跡 #特別名勝(庭園) #日本100名城
2017年9月、2023年3月、2023年11月

緑っぽい写真は2017年、(1)の桜は2023年3月です。2023年3月は白山平泉寺がメインだったので、早朝1時間ぐらい矢穴を探してうろついただけです。
11月は、土砂降りになったり晴れたりの不安定な天候でしたが、1日半みっちり歩きました。
(3)のトラックデータは11月のものです。クルマ移動分も入っています。

一乗谷朝倉氏遺跡は、2022年に新博物館がオープンして話題になりましたが、個人的には、たまたま下記の赤色立体図を手に入れ、ながめているうちにフツフツと興味が再熱してきました。

一乗谷では、詰城の一乗谷城や周辺の成願寺城や東郷槇山城といった城郭群が知られていますが、一乗谷本体にはついては「城郭」のイメージはあまりないと思います。
しかし、一乗谷周囲の尾根には、一乗谷の防衛網を構築している城砦遺構が配置されています。
今回は、以下を参考に歩いてみました。

・川越光洋・石川美咲「一乗谷朝倉氏遺跡における航空レーザ計測の報告1」『一乗谷朝倉氏遺跡資料館紀要2018』 (2)引用元
・佐伯哲也『越前中世城郭図面集Ⅱ 越前中部編』桂書房 2020年
・南洋一郎『一乗谷城の基礎的研究』2016年自家版

(4) #朝倉館です。
③は山側の空堀です。館の背後がどうなっているのか🤔.....2017年分をpostしたときから悶々としていたのですが。。行ってみればなんだ、でした😅

(5) 今回の目玉、一乗谷左岸山域堀切群です。
堀切Bは、おそらくこの地域最大規模だと思います。①は18mmの広角をさらに2枚合成しています。歪んでいると思いますが。。

一乗谷左岸山域は、御茸山の尾根筋から東郷槇山城(西)、八地谷(東)に至るルートの登山道は整備されていますが、分岐から南側の尾根道は藪化していました。
堀切も藪の中かなと思っていたところ、堀切群周辺は、この地域では珍しく見通しの利く状態で、それもあって感動しました‼️

堀切Aは中央に、堀切B・Cは、一乗谷側に寄った片土橋です。

(6) #上城戸(かみきど)と#上城戸櫓です。
「櫓」と呼ばれていますが、尾根の前後に堀切、両側面に帯曲輪、一部に土塁が築かれています。

藪城で展望は😵 上城戸はちょうど発掘調査をしていて、②に発掘調査のブルーシートがちらり。
木の根をつかんでツルツルの斜面を無理矢理登ったところ、背筋を痛めました😓

(7) #一乗谷城です。
ウネウネの写真をのせたかったのですが、今回も藪の中。いつ行ってもこんな感じかなとは思いましたが......
土砂降り1時間停滞している間に縄張り図を溶かしてしまったこともあり、3月にもう一度チャレンジしたいと思っています。

一乗谷は、戦国時代を凝縮したような遺跡で、史跡整備の区域外にもさまざまな遺構が眠っています。
ただ、唯一の難点が、雪に鍛えられた強靭な雑木雑草😓

(8) #小城の堀切です。一乗谷で最も深い堀切だと思います。よく見ると私が。これも土橋の上で、堀底はさらに下です。

(9) #月見櫓です。朝倉館の展望地として竪堀に木製の階段が設置されています。
②は堀切を上から、③は下から撮っています。

(10) #西山光照寺の石仏と#中の御殿の矢穴石です。
一乗谷では、3000体をこえる石仏・石塔が確認されています。ほとんどが笏谷石製のようです。
西山光照寺と盛源寺でまとまって見ることができますが、未整備地区を歩いていても出会うことがあります。

16世紀は、各地で石仏・石塔が多量に造立されます。近江の石仏・石塔は何回かpostしたことがあるのですが、一乗谷の石仏は大型で彫りも精巧です。
なかでも、②の西山光照寺の石仏は等身大でなかなかの優品です。
近江と一乗谷の違いは、造立した階層の違いなのか、宗派の関係なのか🤔

④の矢穴石は矢穴口幅が12～16cm。やはり織豊期以前の特徴をもっています。

#シリーズ石仏石塔
#矢穴の話
#福井県 #福井市 #越前 #朝倉氏 #一乗谷 #朝倉館 #朝倉義景 #福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館 #一乗谷朝倉氏遺跡博物館 #japan #fukui_prefecture #ichijodani_castle #castle #歴史好きな人と繋がりたい #城好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい #石仏好きな人と繋がりたい

以前にも書きましたが、インスタは「まとめ」機能がなくなってしまったり、タグ検索がグダグタだったり。
やはり情報を蓄積していくようなアプリではないので、自己満的な深掘りについてはブログに移行し、インスタについては軽めのものにしようかと思っています。
ブログが軌道に乗るまでインスタは1月ほど休止します。3月は遠征もあるし。再開時にはまたよろしくお願いします🙇‍♂️

#東京湾要塞その4 #観音崎水中聴測所

#東京湾要塞その4
#観音崎水中聴測所その1(最終回)
千葉県横須賀市
2023年12月

観音崎の海岸沿いの遊歩道歩いて行くと、突端の沖合に円筒状の建物が見えてきます。

陸軍が設置した水中聴測所です。

あえて朝焼けの写真を撮りたかったわけではなく、もう少し明るくなるまで待ちたかったのですが......この日は猿島砲台などなど予定がてんこ盛りだったので後ろ髪引かれつつ転進😓

水中聴測所は、水中聴音機(ソナー)で、潜航して侵入する敵潜水艦を探知し、観音崎から第二海堡間に敷設した機雷を起爆するなどにして攻撃するための施設です。

数年前に、#鉄腕ダッシュでやっていたのですが、覚えている方いますか？

水中聴測所とその周辺は海上自衛隊観音崎警備所内で、残念ながら一般人は立ち入り禁止で、これ以上近づくことができません。

陸側には聴測室など関連地下施設も残っているようなので、横須賀市の方でガイドツアーを企画してもらえるとありがたいのですが。。

この円筒形の施設は、昭和11年7月に起工し、昭和12年6月に完成しました。当初は潮位観測所？だったようですが、昭和18年10月に、関釜(下関～釜山)連絡船「崑崙丸」がアメリカ潜水艦の雷撃を受け撃沈したことに衝撃を受けた陸軍が、水中聴測所の試験施設として転用したものです。

重要港湾・海峡の警備は、本来海軍鎮守府・警備府の防備衛所がその任に当たっていました。

日米開戦が迫った昭和15年ごろから急速に体制設備の増強が進められ、東京湾では、関東大震災で陸軍が放棄した第二海堡を借り受け、昭和6年7月に水中聴測所訓練所、探照灯などを設置しました。その後については、はっきりしないようですが、おそらく実戦的に配備されたのでしょう。

とはいっても、アメリカ軍潜水艦は、墜落したB29の乗員救出などで東京湾の奥深くまで侵入していたとの話もあるようですが。。

陸軍は、壱岐要塞に実戦機1基が配備された他は観音崎の1基のみで、観音崎は当初試験機だったようです。最終的にどこまで実戦的に機能したかは不明です。

(6) 位置図です。左下図で、水中聴測所と同じ時期(太平洋戦争終盤)の砲台は、観音崎第四砲台のみです。太平洋戦争から本土決戦に備えてのこの地域の守備は海軍が担っていました。
それを図化したかったのですが、海軍の防空砲台や洞窟砲台、その他陣地はかなりの数あり、まだ整理できていないので今回はやめました🙇‍♂️

#シリーズ戦跡
#神奈川県 #横須賀市 #東京湾要塞 #観音崎水中聴測所 #水中聴測所 #観音崎灯台 #第二海堡 #第2海堡 #横須賀軍港 #横須賀鎮守府 #戦争遺跡 #近代化産業遺産 #産業遺産 #土木遺産 #廃墟 #廃墟めぐり #戦跡めぐり #japan #yokosuka #war_ruins #歴史好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

年明けから明治～昭和期の戦争遺跡をpostしてきましたが、次回は戦国時代にもどります。朝倉氏です🤗

#東京湾要塞その3 #第三海堡その1(最

#東京湾要塞その3
#第三海堡その1(最終回)
千葉県横須賀市
2024年1月5日

今回は第三海堡です。前回までは第二海堡です。

第三海堡本体はすでに存在しませんが、遺構の一部が、横須賀市夏島都市緑地公園(夏島町)と、うみかぜ公園(平成町)に移築保存されています。

●夏島都市緑地公園 : 観測所・探照灯・砲側庫 (1)～(5)
●うみかぜ公園 : 兵舎 (6)・(7)、(7)動画

ともにフェンスの外からの見学になりますが、緑地公園の遺構については、「NPO法人アクションおっぱま」さんにより、毎月第一日曜日(原則)に公開されています。建物内にも入ることができるようです。

「おっぱま」さんは貝山地下壕の見学なども主催しています。くわしくはwebサイトで確認してください。

今回は、第二海堡ツアーの日程に合わせて行ったので、フェンスの外からの(正確にはメッシュフェンスの網の目にコンパクトカメラを突っ込んで撮った)写真です。
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(10) 首都防衛を担う陸軍所管の「東京湾要塞」では、明治から昭和期に35か所の砲台(堡塁)が築かれました。

砲台が房総半島富津側ではなく三浦半島側に多いのは、富津側が遠浅で大型船が航行できないためです((10)左下)。

日露戦争の勝利(明治37年(1904年))による周辺諸国との関係の変化、そして技術進化による火砲の射程距離の伸張によって、大正期に砲台の整理が行われ、その後に建設された砲台は、より外洋側に設置されました。

明治期の砲台の多くは除籍となりましたが、一部は、太平洋戦争時に海軍が防空砲台として利用しています。
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明治期に計画された砲台のうち、海上の人工島に築かれた砲台を「海堡」(かいほう)と呼んでいます。

●第一海堡 (9)下
・起工　明治14年(1881年)8月
・竣工明治22年(1889年)3月
・起工(改修) 大正13年(1924年)10月
・竣工(改修) 昭和3年(1928年)11月
・除籍昭和20年(1945年)
・海底水深 1.2～4.6m
・面積 23,000㎡

※関東大震災の被害も少なく、遺構が良く残っていますが、残念なら現在は立ち入り禁止です。

●第二海堡
・起工　明治22年(1889年)7月
・竣工大正3年(1887年)6月
・除籍昭和2年(1927年)
・海底水深 8～12m
・面積 41,000㎡

●第三海堡
・起工　明治25年(1892年)8月
・竣工大正10年(1921年)3月
・除籍大正14年(1925年)
・海底水深 39m
・面積 26,000㎡

パイル(杭)などがない時代、捨石だけを基礎に築かれました。水深39mの人工島は、当時世界的にも例がなかったようです。

工事は難航し、度重なる高波で防波堤が破損するなど完成までに29年を費やすことになりました。しかし、完成のわずか2年後の大正12年(1923年)9月1日、関東大震災により全体の約1/3が水没し、壁体構造物のほぼすべてが水没・浸水してしまいました。復旧の目処は立たず、放棄されることになりました。

戦後は良い漁場となっていたようですが、1974年から2000年までの間で、東京湾口で発生した海難事故15件のうち11件が暗礁化した第三海堡絡みというとで、国土交通省が2000年から2008年に第三海堡の撤去作業を行いました。現状では水深23mが確保されているとのことです。

(5)・(8)上は現地パネル、(8)下は、『日本の要塞』学習研究社 2003年刊、(9)は三笠ターミナル/猿島ビジターセンターの展示パネルからお借りしました。

#シリーズ戦跡
#神奈川県 #横須賀市 #東京湾要塞 #第三海堡 #第3海堡 #海堡 #夏島都市緑地公園 #東京湾第三海堡遺構 #うみかぜ公園 #戦争遺跡 #近代化産業遺産 #産業遺産 #土木遺産 #廃墟 #廃墟めぐり #戦跡めぐり #japan #yokosuka #war_ruins #歴史好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

#東京湾要塞その2
#第二海堡その2(最終回)
千葉県富津市
2024年1月5日

●第二海堡兵備
・27糎加農砲(砲塔) 1基中央部
・27糎加農砲(隠顕) 4門右翼・左翼
・15糎加農砲(砲塔) 4基(→3基) 右翼
・7.5糎速射加農砲 10門
・機関砲 10門
・探照燈 1基
・水雷用探照電灯 1基

7.5糎速射加農砲以下の配置は不明。右翼西端の15糎加農砲(砲塔)1基は、後に探照燈に変更。

「砲塔式」砲は、軍艦などによくあるタイプで、回転式で、上部に装甲板を備え、砲兵や機構は砲塔下部にあって保護されます(9)。
「隠顕式」(いんけんしき)砲は、なじみがないと思いますが、通常は外から見えない胸壁内側に砲身を隠し、射撃の際にもち上がるものです。
配置は限られていて、現状隠顕式の砲座が残っているのは由良要塞の高崎砲台(兵庫県由良町)など数例だけのようです。砲架の回転機能はあります。

第二海堡では、中央部27糎加農砲 1基と右翼15糎加農砲3基の砲塔のみがかろうじて残っています。

(1)～(4) 右翼15糎加農砲3基の砲塔です。
砲塔中央部の穴(砲塔井)はいずれも埋められています。

(4)③が東砲塔の砲塔井全景です。直径は10mぐらいでしょうか。
砲塔井については、昭和期のものですが、対馬要塞の豊砲台、壱岐要塞の黒崎砲台を以前postしています。

中央砲塔には、現在灯台が建っています。現地のプレートによると、初点灯が明治27年(1894年)9月、改築が昭和58年(1983年)3月になっているので、改築のタイミングでこの位置に移ったのでしょう。

右翼15糎加農砲3基の砲塔は外周のベトン(コンクリート)が露出しています。
中央砲塔に「NO.2」(1)、西砲塔に「FORT」(要塞)(6)のペイントがあります。最初に上陸したイギリス軍かアメリカ軍が書いたようです。
砲塔は本来(9)のように、被弾したときの衝撃を吸収するために周囲は盛土されていました。関東大震災時に露出したのか.....🤔

(3)は西砲塔で、アメリカ軍？によって爆破されています。
②左端は砲塔井上端の断面になります。
ベトンの断面を見ると分かりますが、明治・大正期のコンクリートは無筋です。

(5)①②、(2)手前、(4)右の凹地は、一般の砲台では「砲台長位置」と呼ばれている目視観測所です。(5)①②と(2)(4)は別もので、砲ごとにあったようです。
敵艦位置を計測する観測所は、左翼右翼両端にありましたが(9)、撤去されてしまっています。

(5)②の手前にボルトがあります。探照電灯(サーチライト)でしょうか。ただ、「兵備」によると海堡全体で1基しかない。。排水溝があるので小型の機関砲？？それもこの位置だと無防備ですが。。

(5)③は(5)②の奧と同じものです。中の凹型は昭和期の戦跡でときどき見かける発電機などの置台と同じですが.....これまた無防備な位置にあります。

見学後半は、時間が押してしまったようで、ガイドさんにアレコレ聞くことができませんでした💦

(5)④は、太平洋戦争時に海軍が設置した高角砲の砲座です。

(6) 15糎加農砲砲塔から右翼西端掩蔽壕の動画です。

(7)① 右翼北側掩蔽壕です。
(7)②③ 右翼西端掩蔽壕です。

兵舎や弾薬庫はすべて地下にありました。砲塔とも地下で連絡していました。ガイドさんの話では、それなりにまだ歩けるそうですが.....現在は非公開😭

北側掩蔽壕は①の位置でしか見ることができませんでした😓
西端掩蔽壕は(10)に写っていないので、最近調査したのかもしれません。もとは、上部に15糎加農砲(砲塔)・探照燈があった場所です。

(8) 煉瓦の刻印(スタンプ)です。ムリに拡大したのでボケてます😇
桜花章は東京小菅集治監(こすげしゅうちかん/現東京拘置所)製ですが、単弁でも何種類かあるようです。他に丸＋文字があります。文字には「す」「ゆ」「SR」などがあるようですが、④はそれとは別のようです。

掲載図、写真のうち、(9)・(10)は、三笠ターミナル/猿島ビジターセンター(横須賀市小川町)および現地の展示パネル・模型を使用させていただきました。

#シリーズ戦跡
#神奈川県 #横須賀市 #千葉県 #富津市 #東京湾要塞 #第二海堡 #第2海堡 #第二海堡ツアー #第二海堡上陸ツアー #猿島 #猿島砲台 #戦争遺跡 #近代化産業遺産 #産業遺産 #土木遺産 #廃墟 #廃墟めぐり #戦跡めぐり #japan #yokosuka #war_ruins #歴史好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

#東京湾要塞その1
#第二海堡その1
千葉県富津市
2024年1月5日

「海堡」(かいほう)は、海上の人工島に築かれた砲台です。
第二海堡は、首都防衛を担う陸軍所管の「東京湾要塞」を構成する砲台のひとつで、千葉県富津岬と神奈川県三浦半島走水の間の、水深8～12mの海中に築かれた面積41,000㎡の巨大な要塞です。

明治22年(1889年)7月着工、大正3年(1914年)6月竣工。

軟弱地盤であったため、基礎となる割栗石を投入し、これを潜水夫が整え、安定したのを確認した後に割栗石を追加していくという、気の遠くなるような作業が繰り返し行われたことから、完成までに25年を費やしました。

しかし、やはり軟弱地盤＋埋め立て地。大正12年(1923年)の関東大震災により、破壊的な打撃を受け、その年のうちに廃止・除籍となりました(正式には昭和2年)。
その後、第二次世界大戦中は海軍が防空砲台を設置するなど再利用されましたが、敗戦にともない、軍事施設はアメリカ軍により爆破処理されました。

戦後は、渡し舟で釣り人が渡航していた時期もあったようですが、2005年に立入りが禁止。
護岸の侵食が進み、流出する土砂が大型船舶の往来を妨げる危険があることから、2006年度から護岸整備工事が行われました。

(1)③(右下)は工事前、(10)は工事後の写真で、残念ながら遺構の多くが撤去されてしまっています。
(7)③は逆光で分かりづらいですが、間知石による当時の護岸です。

現在は国土交通省の管轄で、防災関係の試験場などがありました((7)①左手奥)。試験施設は撮影禁止とのことでしたが、(1)③に写っています😅

なお、工事前の状況は、ロケ地であった松田優作の「蘇る金狼」をぜひ見てくださいとのことでした。私はまだ見ていません。
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2018年から上陸が再開されましたが、旅行代理店主催のツアーに参加することが必要で、これには、はとバス、クラブツーリズム、JTBなどけっこういろいろな会社が参画しています。
ただし、費用はそれなりで、取り決めがあるのか、昼過ぎ出発で上陸時間は約1時間。それで1万円前後。バスの送迎があったり食事があったりすると2万円前後。さらに宿泊付きのお高いプランもあります。
私はJTBの「三笠ターミナル発　東京湾要塞を海からめぐる！第二海堡・猿島上陸ツアー(日帰り）」8000円でした。

12:15 横須賀市三笠公園前三笠ターミナル集合
12:45 出発
猿島(約1時間)～第二海堡(約1時間)
16:10 観音崎解散(→16:45 三笠ターミナル)

上陸ツアーとしては格安だったので飛びつきましたが、これは、横須賀市の観光推進アクションプラン「よこすかルートミュージアム」にもとづく新規ルートで、横須賀市の補助金が入ってるとのことでした。ちなみに、第二海堡自体は富津市です。

なお、悪天で出航できない場合は、前日の夕方までに連絡があるとのことで、この場合は返金されますが、出航しても、波などの影響で上陸できないことがあり、その場合はその場で「上陸」→「周遊」ツアーに変更されます。上陸率は65％(別な人は50％)だそうです🤔

船は、猿島渡航と同じでした。
案内は、猿島砲台や千代ヶ崎砲台のガイドさんでした。ガイドさんは手慣れた感じで良かったです。

島内の自由散策は不可です。北桟橋から中央砲塔、そこから右翼へ向かい北桟橋に戻るというルートです。ワイヤレスのイヤホンでガイドさんの話を聞きながらの約1時間の行程になります。

さて、このツアーを高いとみるか安いとみるか、高くてリスクがあっても行ってみたいと思うか、どうでしょう🤗🤗
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(4)～(6) 浦賀水道横断からの第二海堡。(6)は音声付き動画。
途中巨大船舶に遭遇のも見所のひとつだそうですが、この日は外れ。

(7)①② 北側着船前倉庫。燃料保管庫ではないかとのこと。

(1)①(8)(9) 中央部砲塔横にある観測塔です。
(9)は動画です。
中央部砲塔は27糎加農砲。砲塔は埋まっています。
観測塔直下に煉瓦造りの地下施設入口があるのですが、見えない😓 全体は(1)③を見てください。

掲載図、写真のうち、(1)③(右下)・(2)・(3)・(10)は、三笠ターミナル/猿島ビジターセンター(横須賀市小川町)の展示パネル・模型を使用させていただきました。

#シリーズ戦跡
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#安土城

滋賀県近江八幡市安土町石寺
国特別史跡、日本100名城
2024年2月4日

天主台穴蔵入口石段にある柴田勝家献上「笏谷石(しゃくだにいし)」です。

『信長公記』巻十四に、1581年(天正9年)7月11日に、柴田勝家が黄鷹6羽と切石数百箇を献上したとの記事があります。この笏谷石の切石はその一部と考えられています。

史実通りのものを目の前にするのは、なかなか不思議な気分。

笏谷石は、越前(福井県)足羽山山麓の笏谷地区で採れる凝灰岩で、戦国時代から江戸時代には、石材や製品として、北海道にいたる日本海沿岸各地に流通しました。
墓所や城の屋根瓦などに使用された、北陸のシンボリックな石材です。

以前、前田家や京極家墓所の石廟・石塔をpostしたときに、この柴田勝家献上笏谷石についてもふれたことがあるのですが、以前撮った写真は白飛びまだらで💦😅実際これをpostするのは今回が初めてです。

(4)(5) 天主台穴蔵入口石段の踊り場に(長)方形の加工石が10数枚敷かれています。これです‼️

笏谷石は青味を帯びた色調が特徴ですが、この日は朝まで雨だったようで、他石に比べてわずかに青く発色しているのがわかりますか？

安土城は江戸時代以降、年忌法要に合わせて参道などの修繕が行われていて、とくに石段などはどこまで当時のものか分かりませんが、これは間違いないでしょう。本丸北虎口にも、笏谷石ではないようですが、切石が敷かれている部分があるようです。

1581年(天正9年)は本能寺の変の前年。天主はすでに完成していました。信長は勝家の気持ちに応えるべく、人目につきやすい天主入口に後からはめ込んだのでしょうか🤔

#滋賀県 #近江八幡市 #東近江市 #安土城 #安土城跡 #織田信長 #柴田勝家 #笏谷石 #信長公記 #特別史跡 #日本100名城 #日本百名城 #japan #shiga_prefecture #azuchi_castle #castle #歴史好きな人と繋がりたい #城好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

#舞鶴その17
#吉坂堡塁その7
#吉坂本堡塁その4
#舞鶴要塞その8
福井県大飯郡高浜町・六路谷地係
2023年3月

吉坂堡塁(きっさかほるい/ほうるい)最終回です。本堡塁の「砲座」です。

・起工：明治33年(1900年)7月
・竣工：明治35年11月
・廃止：大正8年(1919年) 兵備表より除去、昭和10年(1935年)全部除籍
・備砲(本堡塁)：克式十二糎加農砲 2門、十二糎加農砲 4門、九糎臼砲 6門
・備砲(付属堡塁)：十二糎加農砲 2門

(1)～(6)「砲座(ほうざ)」です。
1「砲座」×2「砲床(ほうしょう)」で、3「砲座」が南北に並んでいます。
分かりやすく言い直すと、1区画×2門の火砲が、3区画計6門配置されていました。
(2)(6)は動画です。

(1)～(2) 1番砲座です。
床に火砲の据付部があります。砲座前面の「胸墻(きょうしょう)/胸壁(きょうへき)」は他の砲座と比べて高く、形状も異なります。
壁面の凹みは「即用弾丸置場」です。

ここには固定式の克式十二糎加農砲が配置されていました。
正式名称は「克式三十五口径中心軸十二糎加農砲」で、日清戦争時に旅順要塞で鹵獲(ろかく)した戦利品です。ということで、この火砲は国内ではここの2門のみでした。

「克式」とはドイツのクルップ社のことで、他には「斯加式」(フランス、シュナイダー社)などがありました。

砲床は、中心軸の据え付け穴とその周囲に溝があり、溝に対応する鉄製の車輪で砲架を回転させたようです。

(3)(4) 2・3番砲座です。
付属堡塁と同じ、移動式の十二糎加農砲が配備されていました。
十二糎加農砲は要塞砲としては一般的で、日清戦争前の1880年(明治13年)に建設が始まった東京湾要塞では、日露戦争で32門が砲兵部隊ごと動員され、旅順要塞の攻城戦などに参加したとのことです。

旧陸軍の火砲については、佐山二郎さんの光人社NF文庫「日本陸軍の火砲」シリーズがあります。文庫本なのに一冊500ページをこえる大著で、なおかつこのシリーズだけで10冊?😲
私は『要塞砲』一冊だけ購入しましたが、写真・図面とも豊富で、説明も簡潔です。興味のある方(いないか😅)はどうぞ。

(7)～(9) 砲座間にある「砲側庫(砲側弾薬庫)」です。総ベトン(コンクリート)製で、弾室は漆喰塗りです。

前室そして奥に弾室があります。弾室は畳二～三畳程度です。間の壁にはランプを置く点燈窓があります。
(8)の赤三角は、③→②に通じる排気口です。
弾室は当然火気厳禁です。ランプから引火しないよう、点燈窓弾室側にはガラスがはめ込まれていました。青三角はガラスをはめ込んだ溝です。

(9)は動画です。現地音声付きです。
入り口前には集(排)水枡が。弾薬庫を水漬けにはできないので当然といえば当然ですが、地下にはかなり大がかりな排水管網が埋まっているのでしょう。

地下壕入り口前は、普段枯れ葉が吹きだまっています。平気で歩いていますが。。井戸などの竪坑はホント危険です😱

#シリーズ戦跡
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10日ほど更新が滞ります🙇‍♂️

#舞鶴その16
#吉坂堡塁その6
#吉坂本堡塁その3
#舞鶴要塞その7
福井県大飯郡高浜町・六路谷地係
2023年3月

吉坂堡塁(きっさかほるい/ほうるい)、本堡塁の砲台部です。

(1)(5)「#掩蔽部(えんぺいぶ)(#棲息掩蔽部(せいそくえんぺいぶ))」です。
(2)(3)は動画です。
兵舎や倉庫として使用された地下壕です。
4連で、内部は通路でつながっています(3)。

(4)① 正面は焼過煉瓦で、出入り口と窓の上部はアーチ状になっています。

陸軍要塞掩蔽部の出入り口と窓の上部は、煉瓦アーチと御影石の切石を使用する場合の2系統があります。その使い分けは不明。

4か所の出入り口とも、上と左右5か所に破壊部分が。金属製の金具が取られた(盗まれた？)のでしょう。

舞鶴周辺の煉瓦は、明治30年(1897年)に建設された「神崎煉瓦ホフマン式輪窯」(舞鶴市西神崎)から供給された可能性が高いようですが、記録は一切残っていないとのこと。
東京湾要塞では、刻印によって小菅集治監製など特定が可能ですが、神崎製には刻印がありません。

(4)② 集(排)水枡。地下ですが、排水設備は完備しています。

(4)③(5)① 室内の出入り口側と奧壁側に、ランプ用の釣り手金具(赤矢印)と通気口(赤丸)があります。

(5)③ 吉坂付属堡塁の掩蔽部通気口上部です。

(5)④ 舞鶴要塞の槇山砲台では、鉄製の傘が残っていました。
同じような鉄傘は、横須賀市観音崎第二砲台にありますが、行ったところ立ち入り禁止になっていました😓
他に、千葉県富津市の元洲堡塁ではコンクリ製の傘が残っていますが、まだ現物は見ていません。

(6) 掩蔽部周辺から砲座への動画です。「砲座」「砲側庫」は次回。

(7)「砲台長位置」、指揮所です。

(8) 砲台長位置から下部の「側防砲座」、「塁壁」・「塹壕」の動画です。

(9)「側防砲座」と「塁壁」(「射垜(しゃだ)」)・「塹壕」です。
斜面を登ってくる敵兵を撃退するための最前線の防御施設です。
(10)図には描かれていませんが、下部にも何段か平場があります(9)②。

側防砲座には3つの「山」があります。火砲の配置(砲座)は不明ですが、機関砲や九糎臼砲が置かれたようです。前方に張り出し、横矢の機能ももっているようです。

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吉坂堡塁は次回最終回です。
なんとか今週中に吉坂堡塁は終わりそうです💦

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