城郭墓所砲台

城郭墓所砲台

忘れ去られ棄てられてしまった静寂の廃墟。城郭、寺社、墓所、砲台などの戦争遺産、近代産業遺産。廃墟好きの遺跡歩記(あるき)。

2024年4月開設。インスタグラムから引っ越してきました。いまのところスカスカですが、インスタの過去記事、新作をあわせて投稿していきます。過去記事も今回全面的に書き直しています。
パソコン、スマホ双方に対応させていますが、設定によっては表示が崩れる場合があります。
掲載した写真・動画は、引用を明記したもの以外すべてゆきむ(管理人)の撮影です。引用はサイト名を明記してください。

さなだゆきむ

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2024年12月27日: 朝倉氏城郭の二様 (1)

2024年12月16日: 豊臣秀頼･淀殿墓

2024年12月10日: 軍艦島(端島炭鉱) (2)

2024年11月30日: 軍艦島(端島炭鉱) (1)

2024年11月26日: 観音寺城 (28)

2024年11月21日: 観音寺城 (27)

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2024年11月15日: 観音寺城 (25)

2024年11月5日: 城郭寺院 (4)

2024年11月5日: 観音寺城 (24)

2024年12月27日

朝倉氏城郭の二様 (1)
2024年12月16日

豊臣秀頼･淀殿墓
2024年12月10日

軍艦島(端島炭鉱) (2)

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yukimu326

城郭、寺社、大名墓、戦跡、近代産業遺産など。廃墟好きの遺跡歩記(あるき)。
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Japan | Castle | Temple | Shrine

#朝倉氏の城郭(1)
朝倉氏城郭の二様　元亀年間の陣城(1)

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「海眠ロス」で......もう一本ぐらい軍艦島でと思ったのですが、ネタになりそうなものもなく。。

新シリーズ、開始しました‼️
朝倉氏の城郭は、一乗谷朝倉館の詰城である一乗谷城や戌山城など、堀切と畝状竪堀が特徴的に認められます。
一方、朝倉氏が若狭・近江に築いた陣城(付城)は、これとはまったく異なる土塁囲みの城を築いています。
この「二様」を中心に、朝倉氏関連の城郭を投稿していこうかなと思っています。
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今回は、すべて土塁囲みの陣城です。

(1)～(7) 上平寺城(滋賀県米原市)と長比城(同)です。
元亀元年(1570年)4月、同盟関係にあった織田信長と袂を分かった浅井長政が、美濃・近江国境を封鎖するために、越前衆(朝倉氏)に依頼して築いた城です。

(1)～(3) 上平寺城です。中世当時の名称は、「かりやす尾城」ないし「かりやす城」です。
永正2年(1505年)ごろに京極高清が守護館(上平寺館)の詰城として築いたと言われていますが、伝二の丸の枡形虎口(1)と、土塁囲みの伝本丸(2)は元亀元年の越前衆による改修だと考えられています。(3)の畝状竪堀については、意見が分かれています。

(4)～(7) 長比(たけくらべ)城と須川山砦です。
(4) 長比城西曲輪土塁囲みです。
(5) 長比城東曲輪北東虎口付近です。
(6) 長比城赤色立体図です。
(7) 須川山砦赤色立体図と畝状竪堀です。

(6)(7)の赤色立体図は、米原市教育委員会『長比城・須川山砦跡総合調査報告書』2022年からの転載です。

(8)～(10) 小谷城大嶽城と福寿丸・山崎丸です。
元亀3年(1572年)7月29日、朝倉義景は1万5千の兵を率いて小谷城に着陣します。しかし、小谷城の防備に不満をもち、大嶽城へ移ってしまいます。大嶽城と福寿丸・山崎丸はこのとき築城(改修)されました。

(8) 大嶽城主郭土塁です。
(9) 大嶽城赤色立体図です。長浜市教育委員会『史跡小谷城総合調査報告書』2020年からの転載です。
(10) 福寿丸(上)と山崎丸(下)です。大嶽城の関門としての役割をもっていたと思われます。

#朝倉氏城郭 #越前朝倉氏 #上平寺城 #長比城 #かりやす #たけくらべ #須川山砦 #小谷城 #大嶽城 #福寿丸 #山崎丸 #朝倉義景 #浅井長政 #織田信長 #歴史好きな人と繋がりたい #城好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

今年は、ほぼ観音寺城で終わってしまいましたが、今現在は朝倉氏を含めそれほど執着しているテーマもないので、城郭2テーマと砲台と墓の計4テーマを旨く回していけたらなと思っています。
年末年始も通常運転で行く予定なので、もしかしたらもう一本いけたらと思ってはいますが。。
とりあえず、良いお年をお迎えください🤗

豊臣秀頼・淀殿墓所浅井三姉妹とそ

豊臣秀頼・淀殿墓所
浅井三姉妹とその縁者
豊臣家一族の人々

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慶長20年(1615年)5月7日、大坂城天守炎上。翌5月8日未ノ刻(午後2時頃)、大坂城山里丸(やまざとまる)で豊臣秀頼、淀殿他主従30名は自刃しました。秀頼享年23、淀殿享年47。

遺骸は特定されず、自刃場所については当時から諸説ありました。

(1)(4) 豊臣秀頼像。豊臣大坂城の三の丸に位置する玉造稲荷神社境内にあります。高さ6m(像3m、台座3m)です。

(5) 豊臣秀吉像。大阪城豊國(ほうこく)神社正面にあります。

作者は、秀頼像、秀吉像とも、文化勲章受章者中村晋也氏です。

公家眉にほっぺたぷっくりのお坊ちゃま顔の秀頼像は正直好きではありませんが、秀吉像は傑作だと思っています。小田原城攻めのときの豊臣秀吉をイメージしたものとのことですが、晩年の、朝鮮の役のころのダークサイドに落ちた独裁者の怖さがあります。

(2)「豊臣秀頼、淀殿ら自刃の地」碑です。

(3) 大坂城、極楽橋から見た山里丸です。

(6) 高野山奧之院、豊臣秀頼(左)、淀殿(右)供養塔です。

近年の発見で、写真の2016年5月当時は案内の標柱もなく荒れ放題でした。しかし、2023年度の奥之院参道墓石整備国庫補助事業の第1弾として復元されたようです。

(7) 高野山奧之院、上杉謙信・上杉景勝霊屋です。

豊臣秀頼・淀殿供養塔はこの並びにあります。

(8) 高野山奧之院、直江兼続室お船の方(貞心尼)石廟です。淀殿塔の右隣にあります。

(9) 山形県米沢市春日山林泉寺、直江兼続夫妻石廟です。形は違いますが、石廟を好んで採用していたようです。

豊臣秀頼・淀殿供養塔には、「御取次筑波山知足院」の刻銘があり、「筑波山知足院」の僧侶光誉が、大坂の陣に徳川方として戦勝祈願のための参陣した陣僧であることから、この供養塔は家康の指示により造立された可能性が考えられています。
ただ、造立されたこの場所は、高野山清浄心院が管理する上杉家の墓所です。どちらが主導したかは不明ですが、徳川家、上杉家の合意のもとで造立されたのは間違いないのではと思っています。まぁ、上杉家が火中の栗を拾うことはないと思うので、徳川が上杉家にやらせた、というところでしょうか。

#浅井三姉妹 #茶々 #淀殿 #淀 #浅井長政 #お市の方 #豊臣秀吉 #豊臣秀頼 #高野山奧之院 #玉造稲荷神社 #大坂城 #山里丸 #墓所

#軍艦島(端島炭鉱) (2)

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更新が遅れてしまいましたが、先週木曜日から日曜日の4日間、約半年ぶりに山城歩きをしていました。

久々な上に初日はみぞれ模様❄️ さらに登山道のない山を直登したところ、足腰が😫......ただ、3日目はなると朝から絶好調‼️.....だったのに、最終日は雪に阻まれ山城は断念。。大名墓に転進したところこれまた修理工事中😓 イマイチな旅になってしまいました。

軍艦島、上陸編です。最終回です。

(1)(2) ドルフィン桟橋から上陸すると、正面は鉱業所(炭坑エリア)になります。見学路から右手は、選炭が行われた施設と広大な貯炭場跡地です。
2本組の柱列は、選炭施設から貯炭場まで「精炭」を運ぶためのベルトコンベアの支柱です。
(1)の左手の建物は浮選機室、最上部アパートは幹部職員社宅の3号棟です。

(3) ドルフィン桟橋から左手。「天川(あまかわ)工法」で築かれた明治40年(1907年)築の護岸壁です。(2)に断面がありますが、「天川工法」とは、セメントが普及する以前の伝統工法で、自然石と石灰と赤土を混ぜ合わせた凝固剤「天川」を使用しています。

(4) 第二竪坑桟橋です。単管パイプで補強された階段から、第二竪坑に向かいました。この奥に、第二竪坑と、竪坑直上には、巨大な滑車が取り付けられた「竪坑櫓」が設置されていました。

(5) 第三竪坑捲座レンガ壁です。第三竪坑は明治29年(1896年)開坑、昭和10年(1935年)に閉鎖されました。
捲座(まきざ)には竪坑内のケージを昇降させるためのワイヤーを巻き取る巻揚機が設置されていました。

2015年に、端島炭鉱は「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。軍艦島では、こうした明治期の遺構が対象となりました。

(6) 地下通路天井部です。ドルフィン桟橋から上陸すると、正面は鉱業所(炭坑エリア)になります。これを避けて生活エリアへ向かうための地下通路(トンネル)です。

(7) 旧護岸壁です。端島は、明治26年(1893年)以降6回にわたって埋め立て拡張されています。明治30年(1897年)築の護岸壁の一部が壁のように残っています。「天川工法」で築かれていますが、コンクリートで補強されています。上写真の奥は、総合事務所です。

(8) 南西側エリアです。左から31号棟、30号棟、第二竪坑捲座、鍛冶工場(奥2階、会議室)。岩礁上は、貯水槽は、1957年に完成した海底水道管にともなう施設です。

(9) 30号棟です。1916年(大正5年)竣工の、日本初鉄筋コンクリート造の高層アパートです。残念ながら倒壊寸前です。

#海に眠るダイヤモンド #軍艦島 #端島 #端島炭鉱 #軍艦島上陸クルーズ #軍艦島上陸ツアー #歴史好きな人と繋がりたい #城好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

#軍艦島(端島炭坑) (1)

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このところ、TBSテレビ日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」で話題になっている軍艦島(端島炭坑)です。ハマってしまい、急遽まとめました。

2024年4月、念願の軍艦島(端島)に上陸してきました。

2020年4月より、端島を管理する長崎市から、クルーズ船各社に対して上陸基準(波高・風速・視界など)の厳格運用が義務づけられたため、上陸率は、90％から60％程度まで低下しているとのことで、さらに当日は小雨模様。。
受付では五分五分。。

乗船後も、船内ガイドさんは最後まで接岸を明言しないためしびれましたが、そんな経緯もあって、上陸したときは久々に感動してしまいました。約200人の団体行動でしたが、「観光地」とはちょっと違う感覚、城とも砲台とも違う、圧倒的な存在感でした。

今回は、上陸前に、20分ほど周囲を航行してくれた時のものです。暗くて、雨も降っていたのであまり良い写真は撮れませんでした。

(1)(2)(4)(7) 軍艦島全景。

(3) Google Earth Proで作成しました。インスタ用のため60秒で切れています。

(5)(6)「海に眠るダイヤモンド」に登場する場所です。詳細はブログで。
登場するシーンの多くは、端島の西側の生活エリア(アパート群)ですが、そこは見学コースには入っていません。公式のwebサイト、YouTubeなどを参考に、船上からみた様子と、Googleマップで特定してみました。
かなり忠実に再現されているように思います。

(8) ドルフィン桟橋です。名前は現代風ですが、観光用に新設されたものではありません。1954年(昭和29年)に完成したもので、現状は1962年に完成した三代目になるそうです。

(9) 軍艦島コンシェルジュの高速遊覧船ジュピター。

(10) インスタ用、60秒動画です。

ブログでは、軍艦島上陸クルーズの概要、注意点などをまとめておきましたので、興味がありましたらご覧下さい。

#海に眠るダイヤモンド #軍艦島 #端島 #端島炭坑 #軍艦島上陸クルーズ #軍艦島上陸ツアー #歴史好きな人と繋がりたい #城好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

#観音寺城 (28)(最終回)
観音正寺・観音寺城の変遷 (3)

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ようやく最終回になりました。写真はもう何度も登場したものです😅

動画はインスタ用の60秒仕様なので、途中で切れます🙇‍♂️

こう長くなると、気持ちが切れて別のものに手を出してしまうのですが、とりあえず書きたいことは書き切った感があるので、来週後半の遠征にも気兼ねなく出かけられそうです。

次回の長編シリーズは朝倉氏ですが、こちらはそれほど深く沼っているわけでもないので、出だしはアレですが、途中からはサラリといけそうです。ただ、城の数はかなり多いので、ストップしている幕末から近代ものや大名墓を挟みながら投稿する予定です。
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最終回、観音寺城後期は、六角義賢(承禎)・義治の時代です。
義賢の代となると、優勢であった三好氏との勢力関係は逆転し、北近江では浅井氏が台頭します。
そうしたなか、外郭ラインの防備の強化が行われました。

(2)は高石垣分布図ですが、この高石垣列上には、伝池田丸下の大堀切、見付、帯曲輪などがあり、これらをつないだものがおそらく「外郭ライン」を形成していたと思われます。

権現見付、閼伽坂見付については、近世説もありますが、権現見付は高石垣と一体的で、閼伽坂見付にも櫓台的な石垣が付属しています。

とくに本谷道ルートの伝進藤・後藤邸前面石垣(10)あたりは実戦的で、坊院群前面を切り落として切岸と曲輪を普請し、そこに石垣を築いています。本谷道の鋭角・直角の折れもこの段階に改修された可能性があると考えています。
石垣前面の曲輪(伝的場)は枡形的空間にも見えます。

ただ、高石垣の中には上部に曲輪をもたないものもあり、どうも視覚的効果(威嚇)を期待しているだけとしか思えないものもあります。これがはたして最終型であったのか、今となっては何とも言いようがありません。

(1) 観音寺城後期模式図

(2) 高石垣分布図。これをベースに作成したのが(1)です。

(3) 高石垣の一例、閼伽坂見付西側石垣です。

(4) 外郭ライン上の伝池田丸下大堀切と大石垣です。

(5)～(7) 閼伽坂見付と権現見付です。

(8)(9) 東西主稜線(大土塁)北側の帯曲輪と西端の高石垣です。
高石垣に付属してここにも見付があります。この見付は帯曲輪昇降用とも考えましたが、そのために高石垣を築くとも考えられないので、一部で竪堀とも言われている谷地形が登城道ではないかと考えています。

(10) 伝進藤・後藤邸前面石垣です。

#観音寺城跡 #六角氏 #佐々木六角氏 #観音正寺 #城郭寺院 #石垣 #城郭砲台墓所 #石垣編年 #石垣分類 #歴史好きな人と繋がりたい #城好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

#観音寺城 (27)
観音正寺・観音寺城の変遷 (3)

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観音寺城前期、繖山西尾根に主要部が築かれた時期に東西主稜線東側などに防備のための出曲輪や見張り台(櫓台)なども設置されました。

石塁と間詰め石の少ない横長大型石横積みの低石垣が特徴で、いずれも斜面(切岸)ではなく縁辺ないし平坦地上に築かれています。

(1)(2) 伝淡路丸(伝布施淡路守邸)。

(3) 伝目賀田邸です。石塁石垣ではなく土塁囲みですが、伝淡路丸と連携した観音寺城東端の出曲輪の可能性があります。

(4) 伝大目付です。伝大見付と伝淡路丸の間は、吹越峠と呼ばれる鞍部で、そこから大目付側には段状の曲輪群が築かれています。

(5) 伝三国間です。石塁ではなく土(石)壇状です。

(6) 伝沢田邸です。伝沢田邸は城内最高所にありますが、稜線を残して南斜面側に曲輪を築いています。
時代的にやや新しくなると思いますが、巨石止めの伝楢崎邸石垣(右下)は、伝蒲生邸・伝沢田邸から伝三国間を連結する目的で築かれたのではないかと思います。

(7) 東西主稜線周辺の赤色立体図です。

主稜線以外では、伝木村邸と閼伽坂見付西側櫓台状石垣あたりがこの時期だと思います。

(8) 伝木村邸です。表参道兼大手道の本谷道をにらむ位置にあります。

(9) 閼伽坂見付西側櫓台状石垣です。

(10) 観音寺城前期模式図です。
家臣団屋敷については、坊院群A(伝進藤・後藤邸)と重なると考えています。観音寺城前期の段階では、区画全部が坊院として利用されていたとは考えられないので、廃絶した坊院を改築したり、あるいは特定の坊院を定宿にしていたパターンも考えられます。

将軍足利義晴は、桑実寺正覚院を仮御所(幕府)としており、信長は本能寺を定宿としていましたが、こうした寺院利用は一般的であったと思います。寺院はそれだけ居住性に優れていたと考えられ、逆に言えば、京都滞在も長かった六角氏重臣が、削りっぱなしの段曲輪に屋敷を構えたのか、という話です。

東側の坊院群は、非常時に兵站地として利用されることはあっても、少なくとも重臣クラスが屋敷として利用したとは考えられないと思っています。

#観音寺城跡 #六角氏 #佐々木六角氏 #観音正寺 #城郭寺院 #石垣 #矢穴 #石垣 #石垣編年 #石垣分類 #歴史好きな人と繋がりたい #城好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

次回ラストになります。が。。
ここのところ日曜日の某ドラマにはまっていて、気持ちがそっちに。自分が歩いたのはわずか45分で、場所も違うのですが、まるで現地を歩いたような気持ちで見ています。
写真を選びながらいろいろ調べていますが、ホントに良くつくられています。
観音寺城最終回より前に投稿するかもしれません。

#観音寺城 (25)(26) 観音正寺・観音寺城

#観音寺城 (25)(26)
観音正寺・観音寺城の変遷 (1) (2)

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あと2回で完了です。

佳境といえば佳境で、内容は、観音寺城の石垣の年代、石垣の変遷、そして観音正寺・観音寺城の変遷図です。とくに(25)は写真少なめの長文となってしまいました。これにコメをいただくのも申し訳ないので、今回はコメ閉じます。時間があるときにお読みいただければ幸いです🙇‍♂️

観音寺城は、中世観音正寺(観音寺)をベースとした「城郭寺院」です。
石垣についても、金剛輪寺文書『下倉米銭下用帳』に「御屋形様石垣打申」とあるように、金剛輪寺などの天台宗系寺院が関与が考えられます。

坊院区画など、寺院の石垣(石塁)そのものと思われるものがあり、それはそもそも観音正寺に帰属する可能性もありますが、伝本丸・伝平井丸・伝池田丸など観音寺城主要部についても、「城郭の石垣」というよりも「寺院の石垣」に見えるものがあります。

(1) 観音寺城伝平井丸と落合丸の門跡(虎口)。

(2) 長法寺(滋賀県高島市)坊院跡の門跡。

(3) 白山平泉寺(福井県勝山市)南谷坊院跡の門跡。

伝平井丸の門跡には、守護館正門としての規模と風格がありますが、基本は寺院の門跡そのものです。(1)(2)の伝平井丸と長法寺跡は、板石やサイコロ石までよく似ています。

長法寺跡、白山平泉寺南谷は、ともに15世紀代にさかのぼる可能性がある石垣です。

観音寺城の石垣の築造年代について、踏み込んだ発言をしている研究者は意外なほど少なく、『下倉米銭下用帳』の引用にとどめていることがほとんどですが、中井均さんあたりは、『下倉米銭下用帳』の弘治2年(1556年)を石垣年代の上限としています。

観音寺城は、六角定頼の時代、1520年代に山上の守護館として本格的な築城が行われています。にもかかわらず、観音寺城最古の石垣の年代を、『下倉米銭下用帳』の年代で区切ってしまってよいのかという話です。「寺院の石垣」側からの視点が欠けているような気がしています。

なお、『下倉米銭下用帳』について、石垣築造の技術のない六角氏が、金剛輪寺に対して技術提供を求めたとする話もありますが、これはただの拡大解釈です。実際は石垣普請と費用負担に対する談合の記録です。

観音寺城の石垣には、「寺院の石垣」をベースにした段階と、「城郭の石垣」として進化した段階があったと思われます。

(4)(5)(6) 石垣編年にもとづく観音正寺・観音寺城の変遷模式図です。

(5) 中世寺院の石垣技術の転用(模倣)期。

(6) 中世寺院から城郭石垣への転換(進化)期。

あと2回、変遷模式図の説明をして終わりにします。

#観音寺城跡 #六角氏 #佐々木六角氏 #観音正寺 #城郭寺院 #石垣 #矢穴 #石垣 #石垣編年 #石垣分類 #歴史好きな人と繋がりたい #城好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

#観音寺城 (24) 石垣 (6) 編年(変遷) (

#観音寺城 (24)

石垣 (6) 編年(変遷) (2)

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前回に続いて観音寺城(観音正寺)の石垣の分類を行いました。

ブログでは、観音寺城(24)とは別に、近江周辺の中世寺院・城館の石垣をピックアップしたものを投稿しています。

(1)(2) 2(3)段積み。
観音寺城の石垣は、高石垣でも勾配が80°近いものがあります。高さのための工夫として、途中に積み上げ休止部をもつ2(3)段積みが3か所の石垣で確認できました。一端途中で整えて、自重で安定するのを待って上部を積み足すといった工程を示す痕跡だと思います。

(3)～(7) 隅角と端部です。
観音寺城では、主要部や伝淡路丸など石塁で曲輪を囲むことはありますが、石垣のほとんどは単独直線的で、「シノギ角」(3)はほとんどありません。

直線的な石垣ですが、端部に隅角をつくり浅いコ字状になるものもあり、これを分類してみました。

基本的には、巨石止めから(4)(5)から重箱積み(6)・算木風積み(7)に変化しそうですが、なかなか上手くはいきません。

(8)～(10) 石積みです。
(8) 横長石横積みの整層(乱)積みです。
(9) 乱積みです。

横長石横積みの整層(乱)積みは、中世石垣の基本型です。もう一本の投稿をご覧下さい。
乱積みが古いということはありません。

高石垣だと、下層が整層積みで上層がいい加減な乱積みになるものが多そうです。

(10) 伝平井丸です。特殊な石垣で、ある程度加工した板石を立てています。けっこう危険です。

#観音寺城跡 #六角氏 #佐々木六角氏 #観音正寺 #城郭寺院#石垣 #矢穴 #石垣 #石垣編年 #石垣分類 #歴史好きな人と繋がりたい #城好きな人と繋がりたい #廃墟好きな人と繋がりたい

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